潔さ
昔、7つほど年上の女性と
学生時代を過ごしたことがある
オトナから一度戻って
学生をしてみたかったと言っていた
彼女は
抜けるような白いもち肌で
人が振り返って見るほど
美しかった
メンソールのタバコを
とても上品に吸う人で
なにをするときも
すべてが絵になる人だった
私たちは授業が終わると
映画を見たりお酒を飲んだり
カフェで黙って読書をしたり
今おもうと
あまり会話していなかったと
思う
情動的な彼女は
急に人恋しくなったといって
夜中に車で迎えに来て
ドライブに行ったり
私と過ごしている時に
恋人を感じたくなったなーと
言って
そのまま会いに行ってみたり
予定とか
スケジュールは
体内時計みたいな
感覚なのだろうと思った
私には14歳くらいの頃から
こんな友人が人生の節目や
大切な時期に現れて
いつあっても
昔と変わらない
長い年月は少しも風化せず
善き友というのは
出会ったときから
潔く生きていて
オトナになる前の私に
姿を通してとても大切なことを
教えてくれていたなと感じ
あの時の友人たちの
見つめる世界は
今の私には
当時よりずっと
鮮度瑞々しく
蘇る
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